ニューヨーク  空手道場 武器術 文化の違いは色々・・

今では世界でKARATEと言うと誰でも知っているほどメジャーな存在になった空手です。かえって空手の本家の日本人の方が疎いくらいなのには驚くというよりも寂しくなります。

そのような空手。空手の稽古では一定の空手技量の段階をこえると色々な「武器術」も習得するようになります。武器術を習得するようになると言うよりも、本来、空手発祥の地である日本の琉球(現在の沖縄県)では徒手空拳(何も持たず)の稽古に加えて、さらに武器術の両方が出来てこそ一人前の空手家だと言われています。

ただ、流派によっては、この武器術を教えない(教えられない)師範、指導者も多いと聞きます。それも仕方ないことかもしれません。なぜならば自分自身が一切教わって来なかったことを自分の弟子(生徒)に教えることは決して出来ません。当然です!・・それほど空手には多種の流派、多くの組織、多様な考え方が存在すると言うことも言えます。

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文化の違いなのか

先日(2018年12月)に配信されたニュースを見てびっくりしたお話しを致します。アメリカと日本の文化の違いは、さまざまな場面で出てきますが私の興味に響いた話題がありました。

米ニューヨーク州の地方裁判所で、去る1970年代に成立した武器ヌンチャクの使用を禁止するというニューヨーク州法があったそうです。それに対し、このたび、配信されたニュースによると、そのこと(ヌンチャクの使用/又、稽古をすることを禁じること)は違憲であるとの判断が下されたようです。このことはアマチュア武道家のジェームズ・マロニー氏が、自分の双子の息子にヌンチャクを使用した武術の型を教えることが出来ないとして、このニューヨーク州の法律に異議を申し立てていたようです。今回、ここニューヨーク東部地裁のパメラ・チェン判事は、武器を所持する権利を保障する憲法修正第2条は銃器のみならずヌンチャクにも適用されるとし、彼、ジェームズ・マロニー氏の訴えを認めたとのことです。2018年12月14日に公表された判決文は、ヌンチャクの所持を違法とするニューヨーク州の法律について「憲法修正第2条が保障している武器を所持する権利を憲法に反して制限するものであり、したがって制限は無効である」と判断されました。被告となったニューヨーク州ナッソー郡地区検事長は、ヌンチャクの所有を修正第2条の保障対象から外すべきだという十分な証拠を提示できなかったと述べました。

過去、アメリカでは禁酒法もあった時期すら存在しました。ごく些細なことではありますが、なかなか考えさせられる内容です。

そもそも、ヌンチャクとは

ヌンチャクは日本の琉球古武術(現在の沖縄県)で開発、そして伝承された武器です。そこから1970年代に香港カンフー映画でブルース・リーが映画の中で使用し世界的に有名になりました。当時の我々男の子たちの間では相当に強い印象が残ったはずです。

ここのニューヨーク州の裁判内で提出された資料によると、過去23年間に米国で木製・金属製のヌンチャクが少なくとも6万4890本販売されたそうです。・・何とも凄い販売量ですね!

日本とは違うようで。

そういう私も、その昔、ノコノコと眠い目をこすりながら早朝の公園まで歩いて行きまして、自主稽古でヌンチャクを振っていたことがありました。セントラルパークです。早朝の広い公園の高台ですから何とも清々しい気分だなあと感じた記憶があります! そして、時にはそんな私の回りに数人の見物人も出たくらいでした。コイン入れを置いておけばよかったな(笑)

日本でニューヨーク生活が長い、私の後輩にポツリと言われました「ニューヨークではヌンチャクは違法ですけど大丈夫でしたか?」・エッ、そうなの?! 私は知らないけれど・・!?

その当時、アメリカに私はそのようなニューヨーク州法が有るとは考えもしていませんでした。そういえばニューヨーク/マンハッタンの空手道場では棒術やトンファは教えていましたが(日本とは異なり)いま思い出せば、当時のニューヨーク道場ではヌンチャクは教えていなかった気がします。・・・そんなことをふと思い出したものです。

文化の違いは他でも散見され

お話しは変わり、アメリカに寿司ブームが起きたのは1970年代の初めでしょうか。寿司は今までアメリカ食べられていたものとは相当に違う低カロリーの健康食として、特にニューヨークのヤッピー(流行に敏感な都会の人たち)達には寿司は結構注目されたようです。当時のベトナム戦争をはさんで肉を食べてパワフルに生きることを善としたアメリカ人のライフスタイルが「静的で東洋的なものを大事に思うようになったこともアメリカでの寿司ブームの背景にある」のではないかと言われています。

当然その頃のニューヨーク/マンハッタンで働く、流行に敏感なヤッピーたちに寿司はもてはやされ、やはり寿司バーは急増していきました。ニューヨーク近郊を含め日本食レストランは現在では約600軒だそうで、当然のようにそこのレストランの大半が寿司を扱っているとのこと。ニューヨークはアメリカの中で寿司屋が一番多い都市なんだそうです。

ニューヨーク近海はヒラメ、マグロやサバなどの漁場に恵まれ、マンハッタンにはフルトンマーケットという全米一の魚市場もあります。「SUSHI」の看板を掲げればある程度はやるのは事実でしょうから次々にマンハッタン、そしてニューヨークの近辺にも店を出すのでしょう。

また、いつぞや私がニューヨークに行った際もニューヨーク/ミッドタウン内に「モンスター寿司」と言う看板を出した店が有ったのには本当にタマゲました!・・野獣の寿司店ですか?!

私はその店に入ろうか入るまいか、しばらくその店の道路前に佇んで考えていましたが(私は勇気が無くて)入るのを見送りました(苦笑)

ニューヨーク近辺にある約600軒だかの寿司店のうち約200軒が日本人以外の経営だそうで、そのまた半分くらいは「素人が見よう見まねで握っている」というレベルなんだようです。

ニューヨーク州法では、素手で寿司を握ってはイケないという州法があります。しかし、寿司は素手で扱ってこそ魚の鮮度が分かると聞いたことがあります。そんな魚の鮮度を見分け、そして手早く魚を処理する技術を含め一人前の寿司職人になるのには相当な年数を必要とするのだと思います。一説には、それは5年とも10年とも言われています。何の職人でも、又どのような技術者でも技量の切磋琢磨に終着点は無いのかもしれませんね。

「もし、どこかで食中毒でも出たら寿司全体のイメージダウンとなりましょう。この為もしかしたら、この人々が混在したアメリカでは寿司を握ることでも前段のお話しのように手袋着用しての寿司の提供もいたしかたないのかもしれません。私は理解に苦しみますが。

マンハッタンの寿司屋で手袋をして握っている店は、今のところマチマチのように見えます。

・・いろいろ考え方が有るのでしょうね。

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